実務者研修とは、介護職員基礎研修や訪問介護員養成研修1〜3級を1本化して、幅広い利用者に対する基本的な介護提供能力の習得を目標としている研修です。実務者研修を修了すれば、訪問介護事業所で「サービス提供責任者」として働くことができます。
介護職員初任者研修は合計で130時間の過程ですが、実務者研修は合計で450時間とおよそ3倍以上の時間をかけてしっかりと知識を身に付けます。修了までの期間も1か月と6か月で大きく異なります。
介護職員初任者研修と実務者研修は、研修時間や期間に大きな違いはありますが、未経験者でも受講できるという点は同じです。ただし、実務者研修のほうが多くの知識を身に着けることができるため、メリットも多くあります。
実務者研修のカリキュラムは、通常20科目あり受講時間にすると450時間もの過程になります。カリキュラムの内容は、「人間と社会」・「介護」・「こころとからだのしくみ」・「医療的ケア」の4つに大きく分けられています。
2016年から実務経験ルートで介護福祉士の国家試験を受験する場合、実務者研修の終了と介護の実務経験3年以上が必須条件となりました。つまり、実務者研修を修了しないと国家試験を受けることができません。介護職でキャリアを積んでいきたいと考えている方は、ぜひ実務者研修を修了することをおすすめします。
たん吸引や経管栄養は、これまでは医師や看護師にのみしか認められていなかった医療的ケアです。しかし、実務者研修を修了すれば、これらの医療的ケアの知識を身に着けることができるようになりました。実務者研修修了者であれば介護職員でも処置ができるため、現場で幅広く活躍できるでしょう。
サービス提供責任者とは、訪問介護事務所に必ず配置しなくてはいけない職種です。主に介護サービス利用者とケアマネジャー・介護職員との連絡・調整といったコーディネート業務を行います。実務者研修を修了すれば、実務経験の有無関係なくサービス提供責任者になることが可能です。
実務者研修は、現在働いているという方でもスケジュールの組み方次第で十分に受講可能です。ただし、450時間もの過程があるため、ご自身の休日や仕事終わりの時間を使ってスクールに通う必要があるでしょう。講座が開かれる日程や時間はスクールごとに異なるため、自分に合ったスケジュールを組んでいる講座を見つけることが大切です。